初心者にとって、リアディレイラー調整は難しいメンテナンスの一つなのではないでしょうか。
いくら調整しても変速がうまく決まらず、結局お店に持って行ってみてもらう。そんな感じではないでしょうか。
でも、ディレイラーの仕組みが分かってしまえば、そんなに難しいメンテナンスではありません。
※本記事は、シマノ製アルテグラ(R8000系)をベースとしています。
リアディレイラーの調整
リアディレイラーの調整は、3つあります。
- ワイヤーテンション調整
- ストローク調整(可動範囲の調整)
- プーリーとスプロケットの間の距離調整
プーリーとスプロケットの間の距離調整は、それほど調整頻度は高くありませんし、お店で購入していれば、基本的にストローク調整は済んでいます。
ほとんどのリアディレイラー調整は、ワイヤーテンション調整で何とかなりますので、今回はここだけピックアップしてご紹介します。
リアディレイラーの仕組み
ワイヤーの張り具合 | ディレイラーの動き |
強い(きつい) | 大きいギア(ロー側)に移動する |
弱い(緩い) | 小さいギア(トップ側)に移動する |
ワイヤーにまったくテンションが掛かっていないとリアディレイラーは小さいギアに留まります。
つまりトップということです。
考えればわかりますが、何かの拍子にワイヤーが外れてしまって、もし大きいギア(ホイール側)に変速してしまう仕様だったら、チェーンがホイールに絡まって大事故につながります。
そういう安全面も考慮されてこのような仕様になっているものと思います。
以下のように考えれば、変速調整が可能です。
症状 | 対処 |
大きいギア(ロー側)に変速しづらい | ワイヤーをきつくする |
小さいギア(トップ側)に変速しづらい | ワイヤーを緩める |
視覚的に調整する
単に、ワイヤーをきつくする、緩くするといってもわかりづらいと思いますので、それは一旦置いておいて、視覚的にディレイラーをどちら方向に動かしたいかを確認しましょう。

症状 | アジャスターボルトの回す方向 |
ロー側に変速しづらい(赤矢印) | 赤側 |
トップ側に変速しづらい(青矢印) | 青側 |
ワイヤーを張るとか緩くするとかという表現で覚えると、どっちに回せばどうなるんだっけ?という状態になりかねませんので、ボルトを回した方向に動くと覚えてしまえば簡単です。
具体的な調整方法(簡易版)
① リアをトップギアに入れる
フロントはアウターでもインナーでもいいですが、アウターで調整することが多いです。
② 1速分軽いギアに変速する(外から2枚目)
ここで変速したにもかかわらず入らない、もしくは入りづらければ、上記写真の赤方向にボルトを回します。クランクを手で回しながら、1段階ずつボルトを回していけば、そのうちスムーズに入るポイントが見つかります。見つかったら、何度かトップ⇔外から2枚目のギアの変速を繰り返してみましょう。そこでスムーズにいけばOKです。
③ 外から2枚目にいれたまま、大きいレバーを遊び分(半分だけ)押し込んだ状態にする。
クランクを手で回しながら、STIレバーの大きい方を半分だけ押し込みます。
その状態で、カリカリと音が鳴って、変速しない状態が適切な張り具合です。
すぐに上のギアに上がってしまったら、青の方向へ少し回します。
反対に、まったく音が鳴らなければ、赤の方向へ少し回します。
カリカリと音だけが鳴る状態になるまで、調整します。
これで完了です。
あとは、全段スムーズに変速できるか確認しましょう。
まとめ
どうでしたか。
意外と簡単ではないでしょうか。
ポイントは、リアディレイラーがどちらに動きづらいかを把握したうえで、動いてほしい方向に、ボルトを回すことです。
これなら、ワイヤーテンションの強弱は別に覚えなくても調整が可能です。
(もちろん、慣れてきたら覚えたほうがいいです)
ディレイラーの調整だけでお店に行くと、ソコソコ調整代を取られてしまいますし、いちいち持って行くのも面倒だと思います。
リアディレイラーがライド中に変速不良になっても、自転車を漕ぐという点においては特に問題ありませんが、適切なギアを選択できないとストレスになりますし、非効率です。
自分で調整できればすぐ解決しますので、難しそうと思わずにチャレンジしてみてください。
私がバイクのメンテナンスで重宝している本です。