長い間同じクラブを使用していると、グリップがツルツルしてきますよね。
そのままでも使えなくはないので、交換せずに放置してる人もいると思いますが、グリッププレッシャーをソフトにするためには、グリップの滑りは大敵です。
また、新しいクラブにした時もこれまでの感触とは異なるグリップがついていると、スイングにも影響しかねません。
グリップはプレーヤーとクラブが唯一接する部分ですから、かなり重要なパーツです。
ショップで交換するのが確実ですが、工賃も取られますので、ぜひご自身で交換できるようになっておきましょう。
今回クラブを入れ替えたんですが、グリップがバックラインなしとなっていて、自分的には非常に握りづらかったので、まだまだ使えるグリップでしたが、交換することにしました。
記事の最後には、グリップ交換に必要な用品をまとめていますので、ぜひご参考に。
グリップの太さ
重要なのは、現在装着されているグリップの太さを知ることです。
現在のグリップは、このようにグリップの根元をめくりあげれば確認できます。
そこに、M60とかM58などと薄っすら記載があるはずです(ゴルフプライドの場合)。
では、この表記の意味について。
もっとも有名なゴルフプライドのグリップ表記では以下の通りになっています。
シャフトサイズ/グリップサイズ |
M58 | M60 | M62 |
0.58インチ | 標準 | 細い | |
0.60インチ | 太い | 標準 | 細い |
0.62インチ | 太い | 標準 |
シャフトサイズによりグリップの太さが変わりますが、経験上0.60基準で考えておけばいいと思います。つまり、M60が標準で、太くしたければM58、細くしたければM62ということです。
(数字が逆になるので混乱しますね)
数字の後ろについている「R」ですが、これはバックラインがないということです。
「R」=バックラインなし
「X」=バックラインあり
太いグリップ
手首が返しづらくなるので、方向性が安定します。
どちらかというと、フッカータイプの方で左に行きすぎる場合は、太くするとよいと思います。
細いグリップ
手首が返りやすくなりますので、スライサーの方に向いているでしょう。
バックラインのありなし
グリップの裏側の盛り上がった部分をバックラインと言います。
これがあることで、常に同じフィーリング・方向で握ることができると感じる人もいますし、フェースを開閉しながら打つ人にとっては、邪魔と感じるかもしれません。
フェースの向きを感じやすくなるので、スライサーにはバックラインありがいいと思いますが、握った感触で決めてしまうのがいいでしょう。
私の場合、基本はバックラインありで、ウェッジのみバックラインなしとしています。
交換方法
作業を始める前に
用意するもの
左から順に
・ハサミ
・両面テープ
・溶剤
・グリップカッター
両面テープは文房具屋で売っているものではなく、専用のものを使用しましょう。
また、グリップカッターはあったほうがいいですね。
手順① 古いグリップにカットを入れる
グリップカッターを使って、古いグリップをカットしていきます。
あまり、押し込んでしまうとシャフトに傷が付くので注意しましょう。
ただ、グリップカッターなら構造的に傷がつきにくくなっています。
手順② グリップを抜く
グリップエンドまで切れ目が入ったら、裂け目から向くようにしてグリップを剥がしていきます。
手順③ 古い両面テープをはがす
大体のケースでは、簡単にはがれると思います。もし剥がれにくければ、ドライヤーを当てながら剥がすといいでしょう。
ちなみに、ここで溶剤を使うと汚くなるので、おススメできません。
抜いたらただの棒です。
手順④ 新しい両面テープを貼る
両面テープの貼り方は、写真のように縦に貼る方法と、螺旋状に貼る方法があります。
以前は螺旋状に貼っていましたが、特に感覚的に違いがないことと、両面テープを螺旋状に巻くのが面倒くさかったり、使用量も増えてもったいないので、最近は縦に貼っています。
両面テープは、グリップの末端まで貼らず、写真のように少し余らせましょう。
ギリギリまで貼ると、グリップを挿入した後に、両面テープが多くはみ出してしまいます。
ブリップエンドは必ず両面テープで覆うようにしましょう。
覆わないと、グリップエンドの穴から砂などが侵入し、異音の原因となります。
手順⑤ 溶剤を吹き付け、一気にグリップを挿入!
手順⑤・⑥はある程度素早く作業する必要があります。
かといって焦りすぎると失敗しますので、作業に入る前にこれからどのような手順で進めるかを頭の中でシミュレーションしておくとよいでしょう。
両面テープをはがしたら、溶剤を満遍なく吹き付けます。
あまり遠慮すると失敗するので、ダラダラ垂れるほど吹き付けてしまってOKです。
それと同時に、これから装着するグリップの中、入り口付近にも溶剤を吹き付けます。
こちらも流れ出るくらい吹きかけましょう。
吹き付けたら素早くグリップを挿入していきます。
写真のように、少し斜めにしながら新しいグリップの口を広げつつ押し込んでやるとスムーズに入っていきます。
挿入するときは、ある程度向きを気にしながら入れましょう。
後で調整できるので、ざっくりとした向きで構いません。
グリップ末端にロゴがある場合、構えた時に見える入れ方が標準で、180度反対の向きにして見えないように入れる方法を「裏刺し(逆刺し)」と言います。
バックラインがある場合は、基本的に標準刺しとなります。
グリップを入れるときのコツ
① 素早く入れる
溶剤が乾いてしまうと、それ以上入らなくなります。落ち着きながらも、素早く入れましょう。
② 両面テープ部分を触らない
溶剤が手についてしまうと、シャフトやグリップが汚れてしまい、あとで掃除するのが大変です。
③ のこり1/3程度まで進んだらグリップエンドを押し込む
グリップエンドがシャフトの末端にくっつくまで押し込んでやります。
④ あまり伸ばしすぎない
グリップはゴムなので引っ張れば伸びます。以前ついていたグリップの跡があるはずなので、その辺りまで押し込むようにします。
手順⑥ 微調整する
グリップが最後まで入ったら、今度はすぐに向きを微調整します。
グリップを実際に握ってスタンスを取ってみたり、写真のようにロゴとフェースの向きが一直線かどうかを確認したりして、自分がしっくりくるまで調整します。
グリップの細かい穴が捻じれていると、握ったときに違和感を感じるので、ロゴの向きだけではなく、グリップ自体が捻じれていないかも注意しましょう。
ここまでくれば、ほぼ完成です。
手順⑦ クリーニングする
溶けた両面テープがはみ出していたり、手についた両面テープがシャフトにくっついて、白くなっていることがあります。
そんな場合は、溶剤を吹き付ければ簡単に拭き取ることができます。
手順⑧ 完成!あとは乾燥させるだけ!
これで完成です!
あとは、溶剤が乾燥してグリップが固定するまで、乾かしましょう。
乾燥時間は人によって様々ですが、個人的には最低でも12時間は放置しておいたほうがいいと思います。
慣れれば1本5分もかからず作業することができます。
また、使用する溶剤の量も何となくわかってきます。
グリップ交換で失敗しないためのヒント
溶剤をケチらない
先ほども書きましたが、溶剤をケチって挿入途中で乾いてしまうと、それ以上入っていかなくなります。最初のうちは、遠慮せずボタボタ垂れるぐらい吹きかけましょう。
慣れてきて作業時間が短くなってきたら、溶剤の量を減らしても問題ありません。
素早く行う作業は慌てない
溶剤を吹きかけてグリップを挿入する作業は、時間との戦いです。
でも、あまり焦ってしまうといいことがありません。
落ち着いて手順を確認してから作業に取り掛かりましょう。
最初はあまり使わないクラブで練習する
初めてだと失敗することもあります。失敗したクラブが頻繁に使用する番手だった場合は、ダメージが大きいので、普段めったに出番のないクラブ(例えば5番アイアンなど)で試してみることをお勧めします。
これをカットし忘れない
コイツの名前は何というんでしょうか。
取り忘れると、クラブからピヨッと出てしまいカッコ悪くなります。
グリップ交換に必要なアイテム
必要なものがすべてそろったセット。
ちなみに、グリップ挿入のためのスターター(プラスチックの補助具)は、使わなくてもいいと思います。うまくいかないと、両面テープがぐちゃぐちゃになって、かえって装着しづらくなります。
グリップカッターは、これが一番使いやすいですね。
グリップの溶剤は大きめのものを用意しましょう。
肝心のグリップです。
これに限らず、様々な種類・色のグリップが販売されていますので、自分好みのグリップに交換しましょう。
まとめ ~グリップは自分で交換しよう!~
いいかがでしたか。
グリップ交換はやってみると簡単です。
ショップに頼むとお金も時間もかかりますし、そのショップに自分がつけたいグリップがないとお願いすることもできません。
その点、自分で作業ができるようになれば、インターネットで安いグリップを購入し、自分のタイミングで取り付けることができます。
もちろん、はじめは失敗してしまうかもしれませんが、何回かトライすればできるようになるはずです。
是非、この機会にトライしてみてください!