気胸と診断されたら読む記事

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みなさん、気胸って知っていますか?

この記事は、おそらく気胸になってしまった方、気胸の手術が近づいている方が読んでいるのではないかと思います。

気胸になってしまい不安に思っている方

どのような治療をするのか

手術はどのような感じなのか

気胸歴10回以上のベテラン(笑)の管理人が、その不安にお応えします。

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注意事項

管理人は医療従事者ではありません。

本記事のすべての内容は管理人の経験に基づくものであり、特定の医療行為を推奨するものではありません。

治療にあたっては、必ず主治医とご相談ください。

本記事によるいかなる不利益に対しても責任は負いません。

管理人の気胸歴

何度も気胸を繰り返していて、正直何回発症したか分かりません。

ただ言えることは、10回以上気胸を発症し、手術を3回受けたこと、のちに説明するドレナージ処置は7~8回ほど経験したはずです。

そんな私も今は全然元気に過ごしていますから、再発していて落ち込んでいる人も、全く心配する必要はありません!

気胸とは

気胸とは、胸の中で肺を包む胸膜(肋膜)腔の中に空気がたまる状態です。気胸になると息を吸っても肺が広がりにくく呼吸がうまくできません。最も多い原因は自然気胸で10-30代のやせ形の男性に好発します。

引用元:日本呼吸器学会 https://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=35
気胸のイラスト

呼吸をする時は、肺が収縮します。

しかし、気胸になると肺の表面に穴が開き、肺とその外側を覆っている胸膜の間に空気が入ってしまい、肺がつぶれてしまいます。

肺の表面にある穴があきやすい気泡のことをブラと言います。

ブラとは?

肺の表面にできる泡や風船のようなもので、これが破裂することで気胸が発症します。
風船の表面にさらに小さなふくらみがあるいイメージです。

肺がつぶれると、いくら空気を吸っても十分に取り込むことができないため、かなり苦しくなります。

肺に穴があいて苦しくなる病気、これが気胸です。

交通事故などの外的要因に基づく気胸(外傷性気胸)もありますが、本稿では自然気胸を取り扱います。

気胸の症状

呼吸困難のイラスト(女性)

主な症状としては、「胸の痛み」「息苦しさ」「咳」です。

胸の痛みの程度は、人によって違うようで、私の場合は痛かったですが、我慢できないほどの痛みではなかったです。

鎖骨のあたりがキリキリ、チクチク痛むなぁ~といった感覚です。

息苦しさは、肺のつぶれ度合いによると思います。

軽度の場合は、「何か息苦しいな」程度ですが、肺がほとんど潰れてしまうと、呼吸困難に近い状態になります。

ただ、両肺が同時につぶれなければ、息ができなくて窒息してしまうということは無いようです。

咳に関しては、風邪もひいていないのに空咳が出ます。

気胸になったときの処置

私の経験をもとに、気胸になったときに病院で行われる処置をご説明します。

胸腔ドレナージ

胸腔ドレーンのイラスト
こんなのも用意されている「いらすとや」スゲー

気胸が起きている胸の脇の下あたりに穴をあけ(!)、チューブを通します。

チューブを挿入する場所は、肺の状態にもよりますが、私はほとんどのケースで脇の下でした。

(1回だけ鎖骨の横ということもありました)

チューブは、胸腔とつぶれた肺の間に通して、そこにたまった空気を抜くということです。

「脱気」というらしいです。

気胸の度合いが超軽度でドレーンを通す場所がない時は、何もせずに経過観察ということもありました。

たまった空気は自然に体に吸収されていきますが、私の経験では経過観察だけで終了したことはなく、すぐに再発してしまいました。

ですから、気胸になったらほとんどの場合で、胸腔ドレナージはされてしまうでしょう。

ドレナージをする時は、部分麻酔です。

ベッドに寝かされて、おそらく血液がかからないようにするためのシートをかぶせられて、結構大ごとです。

部分麻酔を注射されますが、これが痛いと思います。

注射が効いてくると痛みはなくなりますが、奥の方まで注射をするので、しばらく痛みは続きます。

ここで重要なことは、麻酔が効いているかを確認するため、医者が患部を触って

「触られている感じはありますか~?」

みたいなことを聞いてきますが、すこしでも感じるようだったら遠慮なく言って麻酔を追加してもらいましょう。

やせ我慢すると後で大変なことになります。

でも、ほとんどの場合、最初の麻酔だけで充分だと思います。

麻酔が終わると、おそらくメスで穴をあけていくようです(見ていないのでわかりません)。

その後、ドレーンを通すのですが、ここが正念場。

ドレーンは胸膜を突き破って中に入れますので、あまり上手じゃない医者だと、かなりグイグイと押し込んできてかなりの痛みです。

1回だけとても上手な人に処置してもらいましたが、その時は「もう入ったの?」といった感じでした。

無事にドレーンが貫通すると、おそらく激しく咳込むと思います。

たまっていた空気が排出され、肺が大きくなる反動で咳が出るのだと思います。

ただ、押しつぶされていた肺が大きくなるので、息苦しさはなくなります。

後は、ドレーンを固定して、ドレーンの先に透明の箱(ドレーンバッグ)を付けておしまいです。

しばらくこの箱とのお付き合いが始まります。

わざと咳ばらいをしてみると、この箱に入っている水がボコボコします。

肺から空気が漏れている証拠です。

胸腔ドレナージ処置時のポイント

痛み止めは必ずもらうこと

ドレナージは皮膚に縫い付けられますが、処置直後は麻酔が効いていて痛くはありません。しかし、麻酔が効いてくるとその部分がチクチク、ジンジン、ズンズンと痛み始めます。

痛み止めは貰えるはずですが、しっかりと飲むようにしましょう。

寝返りは打てない

例えば左わきにドレナージされた場合は、当然そちらを下にして寝ることはできません。

ベッドのリクライニングを上手く使う

ドレナージが刺さったままだと横になるのも一苦労です。

寝るときはベッドに腰を掛け、リクライニング機能を使って頭側を立たせて、そのままもたれましょう。その後、徐々にリクライニングを寝かせていけば、自分が落ち着くポイントが見つかるはずです。

私が気胸の時は、平らな状態で寝ることができず、適度な角度を付けたまま過ごしていました。

退院までの日数

胸腔ドレナージは手術ではなく、処置です。

空気を外に逃がして肺を膨らませておき、肺が自然治癒するのを待ちます。

したがって、いつ退院できるかは自分の肺次第といったところです。

10日程度で直ることが多いと思いますが、それ以上かかる時は手術になることがあります。

胸腔ドレナージだけでは再発率が高い

肺の穴が勝手にふさがるのを待つだけですから、再び穴があくことが多く、再発率は30%~50%と言われています。

大体どの病院でも、2回目は手術を勧められるでしょう。

気胸の手術

腹腔鏡手術のイラスト

ほとんどの場合、内視鏡手術が行われます。

胸の3か所に小さな穴をあけ、器具を通して穴をふさぐ手術を行います。

内視鏡では対応できない場合は、開胸手術が選択されます。

いずれも当然ながら全身麻酔となります。

私は、開胸手術1回、内視鏡手術2回経験しました。

当然、ドレナージも何度も受けていますので、私の体はケンシロウのようになっています。

手術はどれほど辛いのか?

これから手術を控えている人は、ここが一番気になるところでしょう。

ハッキリ言うと、手術中はまったく問題ありません。

全身麻酔していますから、当たり前です。

「今から麻酔を入れますよ」と言われ、何度か名前を呼ばれている間に、気が付けば手術が終わっています。

最長で7時間の手術を受けたことがありますが、これもあっという間に終わりました。

待っている家族の方が大変です。

つらいのは術後です。

開胸手術の場合、かなり体に負担がかかるので、目が覚めた後しばらくは相当つらかった記憶があります。

体全体の痛み、熱、等々。。。

内視鏡手術の場合、体への負担は低いのですが、やはり痛みはやってきます。

男性の場合、一番つらいのは尿道カテーテルかもしれません。

詳細は調べてもらえればいいのですが、正直私が手術で一番いやなのがコレです。

あまりの辛さに看護師さんに何度抜いてくれと頼んだことか。

手術にかかる時間

内視鏡手術で、特に問題のない気胸であれば、1時間~2時間程度のようです。

私は、気胸の原因がかなり奥深くにあったらしく、相当時間がかかりました。

術後

術後の辛さは、書いた通りです。

でも、一晩頑張れば間違いなく落ち着いてきますので、頑張りましょう。

術後も当然あの箱は付いています。

ちなみに私は右肺にドレーンを刺している最中に、左肺も気胸となり、両肺が気胸となったことがあります(両側気胸)。

術後気づいたら、両方の脇にドレーンが付いていた時は絶望しました。

晴れて尿道カテーテルが取れて歩けるようになったら、あとはただ時間が過ぎるのを待つだけです。

尿道カテーテルを取った後の最初のトイレは痛いので覚悟してくださいね(笑)

退院に向けて

手術によって肺の穴が完全にふさがると、これまでボコボコしていた箱の中の水が反応しなくなります。

これは、肺と胸膜の間に空気が無くなった、つまり空気漏れが無くなった証拠です。

これで晴れてドレーンを外すことができます。

ドレーンを外すとき

安心してください。

ぜんぜん痛くありませんよ。

何度もドレーンを入れてきた私が断言しますが、入れるときの痛みに比べれば、100倍余裕です。

最初に部分麻酔をかけますが、入れるときと違って、それほど奥深くまで針を刺していないようです。

麻酔が効いたら、管をスルスルっと抜きますが、少し感じる程度で痛みもなく、あっという間に終わります。

あとは傷口を縫っておしまいです。

これまで長い間ともにしていたあの箱が体を離れると、すごい解放感に浸れることでしょう。

院内を普通に歩き回れることができます。

傍から見れば、なぜ入院しているのか分からないほどでしょう。

痛みもないし、苦しさもない、さらには自由に動き回れて、おなかが空いたら何でも食べられる。

私は退院までのこの期間がもっとも楽しかったです。

再発について

気胸は再発を繰り返す病気です。

特に、手術をせずドレーンだけの場合は、かなりの確率で再発してしまいます。

私は手術をしても何度も再発していましたが、そもそもかなりの数のブラが肺の表面にある気胸になりやすい体質だったようです。

最後の手術で、肺の表面全体をメッシュで覆う全肺胸膜カバーリング術をしてもらい、ここ数年再発は避けられています。

全肺胸膜カバーリング術

肺の臓側胸膜、すなわち表面全体を吸収性メッシュで覆い、肺胸膜を補強して気胸を防ぐ。
ブラがたくさんあって気胸を再発しやすい患者のため、玉川病院気胸研究センターの栗原正利医師が開発した方法。

再発予防のためにできること

気胸の再発を防ぐため、我々患者ができること。

ありません。

自然気胸とは勝手にブラが破れてできる病気です。

激しい運動しても破れませんし、運動に制限はありません。

(当然術後は安静にしておきましょう)

私は寝起きや事務仕事中に発症しました。

経験者として言えるのは、なる時はなる!

ただ、タバコを吸っているならやめておいた方がいいでしょう。

ただでさえ破れやすいブラがあるのなら、これ以上タバコで痛めつけるのは無謀ですからね。

ちなみに、私は退院5日後にゴルフに行きました(笑)

そう、入院中に予約しました。(この時は手術ではなく、カテーテル処置のみ)

主治医には内緒ですし、もちろんお勧めしませんよ。

最後に

気胸になって不安に思っている方も多いことでしょう。

私も気胸になったとき、数々の体験談を見ては助けられました。

ドレナージや手術は本当に嫌です。

これを痛みなくやり過ごす方法はありません。

でも、どれもすぐに終わります。

少しの我慢です。

頑張って乗り越えてください。

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